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中庭でプライベートな空間を。失敗しないポイントや5つの実例を紹介

中庭とは壁や建物に囲まれた屋外空間のことを指し、外部から見られないプライベート空間として人気の間取りです。
中庭は世界中の建築物にも取り入れられており、京都の町家にある坪庭もその一つとされています。外からは守られていながら、室外であり穏やかな外部空間であるという特徴をもっています。
その他には母屋と離れの間の空間や土間も中庭と呼ばれることがあり、洋風住宅では「パティオ」と称されることもあります。
今回は中庭のメリットであるプライバシーを確保できるという点に注目して、中庭づくりのポイントや実例などを紹介します。ぜひ参考にしてください。
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中庭のある家の特徴的な3つの形

施工事例「M House」
中庭を中心に据えた家の設計は、独特の魅力と機能性をもたらします。中庭をより活用するためには、定番でもある3つの間取りを理解しておきましょう。
・コの字型
・ロの字型
・L字型
これらの間取りであれば中庭のメリットを存分に生かせ、よりリラックスしたプライベート空間を楽しめるでしょう。ここからはそれぞれのメリットを一つずつ解説します。
間取り①コの字型の中庭

コの字型は3方向を壁で囲んだ構造で、外部からの視線を程良く遮りつつ外とのつながりも感じやすい設計です。完全に遮断しないことで家の外・内の両方から中庭にアクセスでき、利便性も高まります。
日当たりや風通しが良く、外の環境に近い状態を保てるため、中庭でガーデニングを楽しみたい方にもおすすめの間取りです。
間取り②ロの字型の中庭

ロの字型は4方向を全て壁で囲んだ設計で、外部からの視線を完全に遮断できます。そのため洗濯物を干したり、子どもだけで遊ばせたりと、家の中と同じような使い方が可能です。
ただし庭を囲めるだけの土地の広さが必要なことに留意しましょう。無理に中庭を造ったことで家全体が狭く感じてしまっては本末転倒です。開放感ある中庭を造るのであれば、それを生かせる家づくりをしましょう。
また4方向を壁で囲うため、きちんとした排水設計をしていないと中庭に水がたまってしまいます。失敗を避けるためには、ロの字型の設計経験がある建築会社に依頼するのがおすすめです。敷地の広さと排水設計に注意すれば、ロの字型を採用することでプライバシーと実用性のある空間が造り出せます。
間取り③L字型の中庭

L字型は2方向を壁で囲った形状で、コの字型・ロの字型と比べると最も開放的な中庭です。2方向のみ囲えば中庭が造れるので、狭い土地でも広い中庭にできます。
「庭でバーベキューをしたりプールで遊んだり多くの時間を過ごしたい」「色とりどりの草花を植えて四季を感じたい」など、庭を重視した間取りにしたい方はL字型がおすすめです。
壁を高くすることでプライバシーを守りながら、
バーベキューをしたりプールで遊んだりなど、各々の時間を過ごすことが出来ます。
中庭を造るメリットはプライバシーを確保しやすいこと

中庭を造る利点はさまざまありますが、プライバシーを確保できることが最大のメリットです。壁に囲まれた空間は外からの視線をシャットアウトしつつ、風や日の光など自然の空気も感じられるプライベートスペースとなります。
誰の目も気にならないので、パジャマ姿でもノーメイクでも気兼ねなく外に出られて開放感も抜群です。洗濯物を干したり子どもやペットを遊ばせたりと、さまざまな使い方ができるでしょう。
中庭に出ればすぐに外の空気を感じられるので、自然が感じにくい都市部にいながらほっと一息ついてリラックスできます。少し考え事をしたいときや一人になりたいときなど、中庭があれば快適に過ごせるでしょう。
自然とつながりながらもプライベートな空間を確保できる中庭は、家の中でも貴重な場所として重宝するはずです。
中庭のメリットを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>【施工事例で解説】中庭のある家のメリット・デメリットと解決法
実例紹介|中庭のある家5選
ここからは中庭のある家の実例を5つ紹介します。それぞれ異なるテーマに沿って造られているので、理想の中庭を設計する際のアイデアとして参考にしてください。
【実例➀】外と内が繋がる中庭

この住宅はシンボルツリーが美しい中庭を中心に設計されています。玄関へのアプローチに中庭が設置されており、訪れる人々を温かく迎え入れてくれるでしょう。リビングからは、四季折々の変化を楽しめるシンボルツリーが見え、心地良い癒しを与えてくれます。
中庭はコの字型に設計されているため、開放感とプライバシーの両方を兼ね備えた造りです。外からの視線を気にすることなく、ゆったりとした時間を過ごせる空間が広がります。さらに駐車場が中庭の横に配置されているため、リビングが外から見えにくく安心して生活できる環境といえます。

さらに湿気がこもりにくい設計も魅力の一つで、日常のお手入れも簡単です。家族や友人との団らんの場としてだけでなく、リラックスできるプライベート空間としても大活躍するでしょう。自然と共に日常生活を楽しめ、四季の移ろいを感じながら安心して快適に過ごせる家となっています。
施工事例:シンボルツリーのある中庭(千葉県四街道市)
【実例➁】プライバシーが守れる中庭

こちらの家は道路に面した立地でありながら、プライバシーを守るための工夫が随所に施されています。中庭には透過性の高い格子が設置されており、外からの視線を遮る一方で、日光と心地良い風をしっかりと取り入れることが可能です。この絶妙なデザインにより自然を身近に感じながら、安心して過ごせる空間が広がっています。

中庭はリビングに面していますが、全面タイル張りのため窓を開けっ放しにしても虫が入りにくく快適な環境が保てる造りです。タイルの質感は見た目にも美しく、外とのつながりの心地よさを一層引き立ててくれます。また湿気がこもりにくいため、お手入れの負担も少ないです。忙しい日常の中でも手軽に中庭の美しさを保てるでしょう。
さらに格子は柵としての役割も果たしており、小さなお子さまが中庭に出ても安心です。家族が共に過ごす時間を大切にしつつ遊び場としても機能する中庭は、家族のコミュニケーションの場を広げてくれます。
施工事例:非日常を味わえる中庭(埼玉県)
【実例➂】シンボルツリーのある中庭

ロの字型の中庭を中心に設計されており、完全なプライベート空間が広がっています。中庭は家の床より一段下げられているため、虫の侵入を防ぐ工夫が施されており、安心してアウトドアを楽しめるでしょう。自然と調和した空間で、家族の時間を大切にできます。
中庭の中心には風格あるシンボルツリーが立っており、その根元には自然の息吹を感じさせる土が広がっているのが特徴です。周囲を取り巻くのは洗練されたタイル張りで、美しいコントラストを生み出しています。このデザインによりお手入れは最小限に抑えられ、忙しい日常の中でも手軽に維持管理が可能です。美しい景観を保ちながら快適さを追求した設計です。

また日の光が中庭を通じて家の中心に降り注ぎ、リビングや洗面所、キッチンなど、どこにいても自然を感じられる明るい空間となっています。この光は家族が集まる場所をさらに心地良くしてくれます。リラックスしたひとときを過ごし、家族との絆を強めるのに最適な住まいです。
施工事例:プライバシーが守れる中庭(千葉県柏市)
【実例④】癒しが得られる中庭

こちらの家はロの字型の中庭を中心に、開放感あふれる設計が施されています。特に注目したいのは2階部分からも中庭を見渡せる大きな窓です。この工夫により家全体が明るく、開放的な雰囲気に包まれます。中庭に通じる出口は一つに限定し、他は窓にすることで虫の侵入を防ぎつつ、メンテナンスの手間を大幅に軽減。
中庭の排水設計にも配慮がなされており、土部分以外には砂利を敷き詰めることで水はけが良く、湿気の心配もありません。さらに上部は半分を覆い、もう半分を開放することで直射日光を避けつつ十分な明るさを確保しています。このような設計によって植物が生き生きと育つ理想的な環境が整います。

プライベートな中庭でありながら、家全体がつながりを感じられる特別な空間です。家族や友人との時間を大切にしつつ、自然と共に暮らす贅沢なライフスタイルを実現できるでしょう。
施工事例:癒しが得られる中庭(埼玉県さいたま市)
【実例⑤】リビングと繋がる中庭

白のレイア―を基調とした外観と、上質なライトコートを備えたモダニズムの邸宅。プライベート感のあるライトコートは、内部と外部に心地よい繋がりをもたせ光と風を取り込みます。ミニマムなデザインながらも遊び心のあるアイディアを随所に取り入れた、ゆとりとワクワク感を感じるお住まいです。

真っ白な壁で囲まれた中庭は太陽光を反射し、光と風を気持ち良く届けてくれます。昼間は明るい光に包まれ、自然の温もりを感じながらリラックスできる特別な場所となるでしょう。中庭の端にはライトが設置されており、夜には幻想的な光の印影を楽しめます。穏やかな夜の時間に柔らかな明かりが中庭を照らし出し、くつろぎのひとときを過ごせます。
施工事例:ライトコートで幻想的な中庭(埼玉県さいたま市)
中庭を造る5つのポイント

中庭を造る際には、以下の5つのポイントを押さえておくと良いでしょう。
1.土地の広さを考慮する
2.虫が苦手なら土が表面に出ないようにする
3.断熱性を高める
4.家族で中庭の使い道を考える
5.コの字型は目隠しフェンスを活用する
中庭を造ったのに理想と違い「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、5つのポイントはしっかりとクリアしてください。中庭を使うのは自分だけでなく、家族全員であることも念頭に置きましょう。
①土地の広さを考慮する
中庭を造るためには、ある程度の土地の広さが必要です。住みたいエリアの土地を購入できても、中庭を造れるだけの広さがなければその土地をやめるか、中庭を諦めるかのどちらかの選択が迫られます。
憧れの注文住宅で自分の理想の家を建てたいと思っていても、土地の狭さだけではどうにもなりません。部屋数を減らしたり一つひとつの部屋を狭くしたりなど、優先順位を付けながら取捨選択する必要があります。
とはいえ狭い土地であっても、コンパクトな中庭であれば造れるケースがあります。例えば町家のように廊下に接する形で小さな中庭を造ることで、部屋のスペースを圧迫せずに自然を取り入れることが可能です。
少しでも生活スペースに緑が感じられる空間を造るだけでも、家の快適性は大きく変わります。専門家とよく相談して、できる範囲で自分の理想をかなえていきましょう。
なお狭いながらも住みやすい間取りを知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>狭小住宅でも住みやすい間取りとは?広く見せるアイデアやポイントを詳しく解説
②虫が苦手なら土が表面に出ないようにする
中庭は外部とつながっていることが魅力ですが、一方で虫が発生することもあります。特にロの字型の中庭は4方向全て壁で覆われているため湿気がたまり、夏場に蚊が発生しやすくなるでしょう。
また草木がある中庭であれば季節によってハチやチョウ、ケムシ、セミなどが木に寄ってくることも考えられます。ガーデニングが趣味の方は虫に慣れているかもしれませんが、そうでない方は少し戸惑うかもしれません。
あまり虫が得意でない方は、土を表面に露出させずに全面にタイルを張って仕上げるのがおすすめです。このようにすれば湿気対策にもなるので、蚊の発生も抑えられます。
その他に、中庭と室内の床の高低差を付けるのも効果的です。緑を楽しみたいときは、鉢植えや室内で育てられる観葉植物を置くのが良いでしょう。
庭いじりを楽しむことを優先するか、メンテナンスが少なく気軽に窓を開けっ放しにできる環境を優先するか、どちらを取るかによって中庭の仕上げ方を決めることが大切です。
③断熱性を高める
中庭を造ると家の中の温度調節が難しくなるため、窓や壁の断熱性を高めることが大切です。窓や開口部は内部と外部の温度交換が行われる場所で、温度差が激しくなる箇所でもあります。特に冬の寒い時期は室内の暖かい空気が外に流れやすく、家の中が温まらない原因にもなり、光熱費の増加につながってしまいます。
これを防ぐためには高性能な断熱サッシや複層ガラスが効果的で、床や壁に断熱材を施工することでさらなる断熱効果が期待できるでしょう。また断熱カーテンや断熱シャッターなどを設置するのもおすすめです。
断熱性を高めるためには初期投資がかかり、もったいないと感じるかもしれませんが、長い目で見れば暖房費の節約になり、将来的に住宅の資産価値を高めることにつながります。中庭の開放感を楽しみつつも、エネルギー効率の良い家を実現することで経済的な家となるでしょう。
④家族で中庭の使い道を考える
中庭をどう使うか、家族で話し合えばより愛着のある空間になります。特に小さな子どもがいる家庭であれば以下のような活用方法がおすすめです。
・滑り台や砂場などを置いて子どもたちの遊び場にする
・テーブルとチェアを置いてリラックススペースにする
・季節の花々や野菜を植えてガーデニングを楽しむ空間にする
家族形態や趣味、過ごし方に合わせて、好きなように中庭をデザインしてみてください。その他にもバーベキューやプール、読書、ヨガなど少し人目が気になる行動でも、中庭であればプライバシーが守られるので思いっきり楽しめるでしょう。さらにイルミネーションを飾って、イベントを楽しむ場所にも活用できます。
自分の希望はもちろん「家族は何がしたいのか」「どう使いたいのか」をきちんと話し合っておくことで、適した設計が見つかります。家族全員が気持ち良く過ごすために、中庭の設計前にしっかり打ち合わせすることが大切です。
⑤コの字型は目隠しフェンスを活用する

コの字型の中庭にする場合は目隠しフェンスを活用しましょう。目隠しフェンスがあれば、外からの視線を遮りながらも開放感は残したままバランスの良い中庭が出来上がります。
目隠しフェンスは木製・アイアン製・グリーンフェンスなどさまざまなデザインがあるため、家の外観や中庭の雰囲気に合わせて選びましょう。フェンスの高さや密集度などを調整することで、圧迫感の少ない目隠しフェンスにできます。
特にフェンスの高さは、中庭に立って高さを決めるのがおすすめです。自分の身長より高いフェンスだと隠れていると思いがちですが、それだと中庭は隠れても家の中までは隠れていないかもしれません。どこまで視線を遮りたいのかもよく考えながら、目隠しフェンスを選ぶことが大切です。
なお、隙間のあるデザインのフェンスであれば圧迫感が和らぎ、風通しや日当たりなども確保しやすくなります。
まとめ
中庭のメリットはプライバシーを確保しやすい点にあります。ただしコの字型・ロの字型・L字型の3種類の間取りにはそれぞれメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルや家族の意見を参考に選んでいきましょう。
中庭を設計する際には、紹介した5つのポイントを押さえることが大切です。そしてデザインだけでなくメンテナンスや使い勝手にもこだわってください。
最後に紹介した5つの実例をさらに詳しく知りたい方は、ぜひ注文住宅ポウハウスの資料請求をお申し込みください。注文住宅ポウハウスでは中庭のある家はもちろん、お客さまの理想を可能な限りかなえる家をプロのデザイナーが提案しています。
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