R House
海外出身のお施主様とデザイナーとで創り上げた、ラグジュアリーホテルを彷彿させる邸宅。ライトコート(中庭)の植物がブラインドのように周辺からの視線を遮り、意匠性の高い設えが優美な室内風景を描いています。
※『International Design Awards(IDA)2022』のArchitecture Categories / Low cost housingで「BRONZE WINNER(銀賞)」を受賞、『 Architecture MasterPrize(AMP)2022』のInteriorDesign / Residentialで「Honorable Mention(佳作)」、『APDC Asia Pacific Design Awards for Elite 2022』のResidence Categoriesで「佳作奬(佳作)」入賞、『MUSE Design Awards 2023』の3部門で「Gold(金賞)」及び「Silver(銀賞)」を受賞した。また、London International Creative Competition(LICC)2022ではBUILD(Architecture)/DECORATE(Interior)の 2 部門で《Official Selection》に選出された。
Data
- 所在地
- 埼玉県さいたま市
- 敷地面積
- 198.23m²
- 延床面積
- 168.18m²
Award
受賞タイトル
奥行き感のある邸宅が建つのは、区画整理地内の住宅街。角地のため人通りや車の交通量が多い。そのため周辺からの視線を集めやすく、プライバシーの確保が難しい立地です。そのため、角地側に道路との緩衝空間となるライトコートを計画し、外部と隔離した空間を創り出しました。
ライティングが美しい夜の外観
周囲に緑をもたらす外部吹抜け
お施主様のセンスを感じる、アーティスティックな玄関ホール。床材に高級感のあるタイルをセレクトし、腰壁はモールディングの装飾とオイルペイント塗装を施したオリジナル仕様。ライティングの陰影が映える落ち着いた空間が、家族やゲストを迎えてくれます。
ライトコートと一体感のある、広さ30帖以上のLDK。大きな開口部を設けつつ、周辺環境と隔絶したプライベート空間を確保するために、壁とガラスに囲まれたラグジュアリーな空間を創出。木質感を纏った上質なデザインや生き生きとした植物に彩られた、優美な空間です。
ゆとりある広さと、美しい意匠を纏うリビング。テレビ台上の棚にクロスのデザインを取り入れ、ヘリンボーン貼りの床とデザインを合わせました。文庫本やDVDなどは単体だと倒れがちなので、斜めのデザインにすることで、倒れた状態でディスプレイができます。
サッシガラスは外部からの視線を鏡のように反射する、Low-Eガラス(熱線反射ガラス)を使用しました。また、ライトコートに配した植栽により、道路からの視線を気にすることなく生活できる、非日常的な空間を生み出しています。
上質感に溢れるダイニングキッチンは、素材の質感と光が融合する優美な空間。キッチンは家具のような佇まいのクリナップ・セントロを使用。周囲を繊細な木目で仕上げ、あえて存在感を主張しすぎないデザインとしました。
ダイニングのカウンターテーブルは、ケヤキの無垢板。耐久性に優れており、はっきりとした木目が美しく、華やかで上品な雰囲気を醸し出しています。背面には木目が繊細なタモの柾目材で造作した、特注の食器棚をレイアウトしました。
ダイニングキッチンの天井には、木目が繊細なタモ集成材のルーバーを施し、温もりと重厚感が漂う意匠性の高い空間を演出。また、天井ルーバーの間に照明器具を配置することで、照明器具の存在感を隠しながら明るい空間に仕上げています。
ライトコートはリビングダイニングと連続した空間のため、一体感を持たせる工夫を施しました。ライトコートの床面は、ヘリンボーン貼りの斜めを意識し、斜めを取り入れたデザインに。また、オリジナルの耐力壁を駆使した大きな開口部が特徴で、空間の一体感を際立たせています。
緩衝空間として住まいのプライバシーを守り、日常に非日常を与えるライトコート。植物の育成や周辺からの視線など熟慮を重ね、角地側に計画しました。防犯上を鑑みて、ライトコートの開口部にはガラスを施しています。
ペットと一緒に暮らす、ラグジュアリーな邸宅
視線を上に向けると、植物に陽光を届ける外部吹抜けが目に入ります。北側約半分には屋根をかけ、残り半分は外に開放しました。夏の暑い直射日光が屋内に入らないようにしながら、十分な明るさと植物の育成に配慮した設計となっています。
2階居室から見た、緑に潤うライトコート
十分な明るさと植物の育成に配慮した設計
海外生活をご経験のお施主様と海外経験のあるデザイナーによって創り上げた、ラグジュアリーホテルのような空間。コントラストが強めの赤・白・黒に、ゴールドのアクセントがさりげなく高級感を演出する、ドラマティックな空間に仕上がりました。
Designer
アメリカで培ったものは、文化の狭間から見えた家に対する価値観。
家という一番身近な環境が、どれほど人に影響を及ぼすかを考える。
「家は人を育てる器」だということ。