Japanese simple modern
自然素材と和の趣がご家族を優しく包む、温もりとアイデアに溢れる建築家の自邸。リビングの音響設備や玄関ホールの照明計画など、細部までこだわりました。統一された色味使いや曲線美などの繊細なデザインが暮らしを豊かに彩ります。
Data
- 所在地
- さいたま市南区
- 敷地面積
- 119.52m²
- 延床面積
- 117.75m²
箱の組み合わせを意識した立体感のあるファサード。窓の形状も箱型をイメージし、バランスよく配置することでデザイン性を高めています。無彩色でまとめられた外壁に自然素材をあしらい、柔らかな表情を添えました。
木や石などの異なる素材が調和する、自然素材感にあふれた玄関ポーチ。ステップ部分には素朴であたたかな風合いの大谷石を使用。玄関先の天井には落ち着きと安心感のある杉材を施しました。
天井ルーバーがモダンな雰囲気を演出する玄関ホール。見上げると天井の適材適所に設置したダウンライトが不規則に並んでいます。その様子が目立たないように天井を黒くし、ダウンライトも黒いものをセレクト。
その上にルーバーを設置して、必要な箇所に灯かりが落ちるように設計しました。
なめらかな曲線が美しいホールの壁面。曲線が視覚的なゆとりを与え、ホールと階段が緩やかに繋がり、空間の連続性を創出します。階段の手すりの形状や大きさにもこだわり、華奢なデザインが曲線の美しさを引き立てています。
玄関から和の雰囲気を感じられるよう、建具に障子を採用しました。ダウンライトで天井がフラットになり広々とした印象に。形状が角型なので畳や襖・障子などの直線的なアイテムと相性が良く、おしゃれな和の空間を演出しています。
統一感のあるナチュラルな空間の中に和の趣を感じられる2階リビング。琥珀色に着色された松の無垢フロアとシナベニヤを使用した天井など、室内随所に木質感を取り入れた居心地の良い空間です。
リビングの音響設備にこだわり、臨場感豊かな大迫力のサウンドを楽しまれています。Bluetoothを利用する方が増えている中、しっかりと配線を通し、後方2カ所にもスピーカーを設置しました。またダイニングとキッチンの上部にあるロフトの障子を開放すると、空間が繋がり開放感が生まれます。
開口部へ向けて屋根が下がり、フローリングとウッドデッキの木目の方向を揃えることで、自然と外へ視線が抜けます。ソファー後方にある引き戸の中はリビング収納。電子ピアノの設置場所を設計し、それ以外の部分には可動棚を設けています。
キッチンとダイニングテーブルが一体となったすっきりとしたデザイン。素材感の異なるペンダントライトが空間をおしゃれに装い、ダイニングを美しく照らします。キッチンの床を1段下げることで、ダイニングやソファーに座るご家族との目線を合わせました。
開放できる収納があることで、家事効率がアップ。お料理中は家電や食器類が手に取りやすくなり、洗った食器類の片付けなどもスムーズです。
窓から見える緑豊かな景色が、まるで絵画のよう。間接照明は光が柔らかく広がるようなデザインで、快適性や眠りに配慮しました。造作したCD棚の隣には約3.2帖のウォークインクロゼットを設けており、収納スペースをしっかりと確保しています。
3色のアクセントクロスが可愛らしい子ども部屋は、将来お部屋を仕切れるように計画しています。それぞれの収納は建具のないオープン収納を採用しているので、扉を開け閉めをする余分なスペースを省けます。
洗面台の壁に、色彩的な存在感を添える名古屋モザイク「パヴォーネ」のタイルを使用しました。華やかな色使いが木質感とマッチし、ナチュラルで個性的な雰囲気に仕上がっています。ミラーキャビネット脇の棚は造作で、小物やインテリアを飾って楽しめます。
ロフトへ上がる階段の壁面にクライミングウォールを造作しました。ちょっとしたスペースを上手に活用することで、おうちの一部が体を動かせる遊びの場に変わります。
ダイニングとキッチン上部にあるロフトは、家族で多彩に使えるマルチスペース。カウンターを設えているので、読書をしたり、お勉強やお仕事スペースなどにも対応。天井に洗濯物干しを取り付けて、ロフトをランドリールームのように使用する活用法は真似したくなるアイデアです。