伝統美が息づく二世帯住宅
日本の伝統美に溢れる土間玄関を共有する二世帯住宅。建替えのご計画で、家族間の心地良い距離感を生み出すとともに、ご近所さんや地域との繋がりも大切に設計しました。伝統的な手法を用いて、趣深い外観や情緒のある玄関ホールを設えた和邸宅です。
Data
- 所在地
- 埼玉県川口市
- 敷地面積
- 393.98m²
- 延床面積
- 196.74m²
日本の伝統的な風景を思い起こさせる、深くて低い軒が印象的な外観。軒先をすっきりと見せる一文字瓦を使い、格子とのコントラストで魅せる「日本の邸宅」を創り上げました。外観の高い意匠性と優美さを感じられます。
格子の影が映える、和モダンな外観
軒先が低く深いので、雨が多い季節でも玄関内に雨水を持ち込まず、快適に傘をたたむことができます。また雨水を運ぶ雨樋に鎖樋を使うことで、風情を演出。伝統的な外観にマッチした土間の洗出しと色味を合わせた砂利を用いて、統一感のある玄関ポーチを描きました。
建築化照明が、存在感を放つ夜の土間玄関。天井に床材と素材を揃えた赤松の梁材をあらわし、間接照明と組み合わせ、落ち着いた和の雰囲気を演出。下がり壁の向こうにはシューズインクローゼットを備えているので、家族の履物などをすっきりと仕舞えます。
広い土間はご近所さん付き合いにも活躍し、そこに繋がる和室は来客のおもてなしにも使用できます。玄関の床はポーチと揃えた洗出し仕上げで、外と中の統一感をもたらし、玄関を開けたときに広がりが生まれます。
玄関ホールには赤松の無垢床を採用。木格子と素材を揃え、格子越しに見える坪庭が、家族の帰宅と来客を迎え入れます。玄関には伝統的な舞良戸(まいらど)の造作玄関収納を用い、大理石のカウンターと組み合わせ、高級旅館を彷彿させる設えとしました。
和室からも地窓を通して、坪庭が見えるように演出。上げ下げ障子を採用する事で、来客の宿泊時など障子を閉めた際に、行燈(あんどん)のような情緒ある光を和室にもたらしてくれます。
1階に親世帯が暮らす空間を配置し、足腰に負担がなくワンフロアで快適な生活ができるよう配慮しています。リビングの床材は赤松を自然健康塗料のリボスで塗装し、赤松の柔らかい足触りや木の風合いを楽しめる空間に仕上げました。
坪庭は、枯山水を思わせる海を表現した白那智石と、島を連想しているやや大き目の石を美しく演出。木を思わせるステンドグラスのスタンドを置く事で、伝統的な手法の坪庭に彩りを添えています。窓から柔らかな光を採り込み、風情を感じる空間に仕上げました。
キッチンは回遊性を確保し、動線もコンパクトにすることで家事ラクを図りました。リビングの造作TVボードの裏を活用した「収納棚兼TV台」により、ダイニング周りに収納を確保。テレビ台、床材、ロフトに繋がる階段の格子の、色と質感を揃える事で、落ち着きと統一感のある空間を演出しました。
コンパクトな家事動線を叶えた、キッチンと横並びの造作ダイニングテーブル。作った料理をそのまますぐに配膳でき、食事の後片付けもスムーズです。生活感が出やすい食器棚は背面収納の中に隠すことで、キッチン周りを片付けやすく、キレイを保てます。
造作のTVボードは、壁掛けTVを前提にデザイン。TV画面は眩しさを抑えるために、下部に間接照明を入れて目への負担を軽減、背面には上品なカラーでワンポイントアクセントを施しました。畳コーナーでゴロゴロしながらTVを見ることも可能なレイアウトで、自宅でのリラックス時間を快適にしてくれます。
2階リビングはダウンフロアに勾配天井を組み合わせ、限られたスペースに開放感を創出しました。床材は1階と同じ赤松、天井はシナ材を採用し、自然健康塗料のリボスで塗装。床材、格子、窓台などの造作材と塗装材の色を揃える事で、色合いだけでなく、質感にも統一感を出しています。
キッチンから繋がる階段を上がるとロフトがあり、子世帯の収納スペースとして活用されています。大容量の本棚を設え、好きな物に囲まれる至福の時間を提供してくれる空間です。
Designer
リラックスできる寝転がれる家が良い家と考えています。
素材感や環境との接し方を大事に考えると伝統的な暮らし方に繋がり座の生活や日本家屋の日の取入れ方や風通しなど参考にする事が多くなりました。
スタイルとしての和だけでなく洋風やモダンなデザインの中にも日本人に馴染みゆったりとした暮らしが出来るような提案を心がけています。