斜め屋根の小さな家
敷地面積約21坪、斜線制限の厳しい建設地に建つ3階建てのお家。敷地条件に合わせて、法的に認められた有効スペースを使いこなす、デザイナーの工夫やアイデアが詰まっています。開放感のあるLDKやコンパクトな家事動線、使い心地に配慮したオリジナルの設えで、暮らしの快適性と高い意匠性を両立しました。
Data
- 所在地
- 東京都
- 敷地面積
- 70.02m²
- 延床面積
- 106.12m²
建設地は敷地面積約21坪、北側斜線も道路斜線もかかる高さ制限が厳しいエリアです。法的制限や敷地条件が厳しい場合、画一的な外観になりがちですが、ポウハウス独自の技術により、個性と温もりのある外観を叶えました。自由設計且つ構造の3次元解析を行うからこそ、安全に自由な外観が実現できます。
玄関まわりに、グレーの外観をおしゃれに装うアイテムを採用しました。木質系の素材が外観のワンポイントアクセントになり、画一的な外観になりやすい都市部の街に、温もりを届けています。またバルコニーの横格子により、道行く人々の視線を遮りながら、風通しを確保しました。
ダウンフロアリビングは、ガレージ上の懐を使用し、床を約40㎝下げて座りやすい高さの段差にしています。勾配天井はこれだけの角度がありながらも、キレイで美しい天井を実現。一般的には火打ち梁という斜めの材料が出てくるところを、ラフターロックというポウハウスオリジナルの金物を使用することで、意匠性を高めています。
リビングは、高さ制限から天井が低くなるところを座るスペースとし、囲まれた落ち着きのある雰囲気としました。天井が低い部分がありながらも、ダウンフロアによる視線の抜けとバルコニーとの繋がりを創出することで、落ち着きと開放感の両立ができています。
リビングの床材は木肌の美しさを味わえるあずみの松に、自然塗料リボスのウォルナット色を塗装。リビングの勾配天井にはレッドシダーを板張りし、個性豊かな表情を添えました。天井の仕上げに変化をつけ、ダイニングとの間に間仕切り飾り棚を設けることで、空間の一体感を出しながらスペースごとの役割を分けています。
限られた空間を有効活用するため、ダイニングテーブルとキッチンの作業台を兼用しました。料理はもちろん、食事の配膳や片付けなどがスムーズに行えます。また、キッチンの床をダイニングから一段下げ、カウンターに座る家族と目線が合う高さに設定しています。フロアタイルは樹脂製なので、お手入れが簡単です。
キッチンカウンターは、既製品のキャビネットにパイン集成材のカウンターを載せたオリジナル。既製品と造作を組み合わせることで、コストを抑えながら、オリジナル性のある造りになっています。ハウスメーカーの安心感と工務店の融通性を兼ね備え、自社職人を抱えているからこそ実現できる仕様です。
キッチンを彩るブルーのタイルは、名古屋モザイクのタイルを採用。LDKのアクセントウォールとしても空間のワンポイントになり、こなれ感を演出しています。キッチンのすぐ横には、洗濯家事ができるスペースを創り、家事がはかどる動線を計画しました。
緩やかな形状の鉄骨階段は、ポウハウスオリジナルのデザイン。1段目の踏板を広く設計しているのでちょこっと腰かけることができ、幅広階段を採用した1段目と2段目には、季節のインテリアを飾ることもできます。ちょっとしたスペースながらも多彩に使えます。
3階から見たリビングと繋がる階段の様子
3階へ繋がる階段を上がると正面に飾り棚が見え、ワクワク感が募るホール空間が登場します。お施主様ご夫婦が当初よりご希望されていた趣味スペースを、家族共有の遊び心のある空間としてデザインしました。思い出の品やお子様の絵本などを自由に飾られています。
シンプルモダンな1階トイレと洗面室
Designer
大切にしていること
①家づくりを楽しむこと
②あらゆる可能性を求め続けること
③背景を大切に
④何事にもシンプルであること
⑤生活シーンをイメージすること