明るく開放的な2階リビングの家

平屋は生活動線が良くバリアフリーにしやすいことや、家族とのコミュニケーションを活性化しやすいなどの理由から世代を問わず注目する人が増えています。ワンフロアでコンパクト、シンプルでスタイリッシュなことが平屋の魅力です。
この記事では、平屋のメリット・デメリット、おしゃれな平屋の外観デザインのポイント、おしゃれでかっこいい平屋の外観デザインの事例などについて解説します。おしゃれな平屋を建てるための参考にしてください。
平屋とは
1階建ての建物のことを平屋といいます。2階建て以上の建物と比較して耐震面で優れていることや、平面計画しやすいことなどが平屋の特徴です。階段を上がる必要がない平屋は日々の生活においても利点があり、階段がないことによってスペースの有効活用ができることが魅力です。平屋の具体的なメリットについては後ほど紹介します。平屋は2階建て以上の同じ面積を有する住宅と比較すると、大きな面積の土地が必要になるため、土地の値段が高い地域では高級住宅として扱われる場合があります。
平屋のメリット

平屋の主なメリットは5つです。
1.室内に階段がないため安全
2.生活動線や家事動線が良い
3.家族とのコミュニケーションがとりやすい
4.構造が安定しているため耐震性が高い
5.メンテナンス費用や光熱費を抑えられる
それぞれ解説します。

1.室内に階段がないため安全
1階部分しかない平屋は、2階に行く必要がないため室内に階段がなく安全です。平屋なら自宅内の事故として多い、階段での踏み外しや転落が発生する危険性がありません。階段の上り下りがないため、小さい子どもや高齢者がいる家族も安心して暮らせます。また、バリアフリーにしやすく誰でも暮らしやすいことも平屋のメリットです。
2.生活動線や家事動線が良い
生活動線とは、生活する上で人の動きを線として表したものです。家事動線とは生活動線の中でも家事をする際に移動するルートをいいます。生活動線や家事動線が悪いと無駄な動きが多くなるため不便です。例えば、洗濯する場所と干す場所がそれぞれ1階と2階に分かれていると、移動の手間がかかるでしょう。平屋では階ごとの上下移動がないため、生活動線や家事動線がコンパクトで効率的です。2階がないため部屋と部屋の距離が近く、生活動線が良い間取りをつくりやすいという利点もあります。
3.家族とのコミュニケーションがとりやすい
平屋は空間が上下に分かれていないため、別室にいても家族同士の気配を感じやすいことが特徴です。子どもがいる家庭なら、小さいうちは親の目が届くところで遊ばせられるため安心です。
子どもがある程度の年齢に成長して自分の部屋ができると、家族とのすれ違いが生じやすくなるでしょう。しかし平屋なら家族みんなが同じ階にいるため、顔を合わせる機会が多くなります。例えばリビングを中心とした間取りにすると、「同じ家にいるのに全く話す機会がない」というような状況を防ぎ、コミュニケーションのきっかけを増やせることもメリットです。

4.構造が安定しているため耐震性が高い
耐震性が高いことも平屋のメリットの一つです。縦に高ければ高いほど建物は地震の揺れの影響を受けやすくなります。平屋は高さがないため構造的に安定しており、地震の際にも被害を受けにくいです。また上からの重さが少ない点でも、平屋は地震に対して強い構造といえます。建物の高さが低くて面積が広いため、風の影響を受けにくく台風の際にも安心です。

5.メンテナンス費用や光熱費を抑えられる
平屋は2階建て以上の建物と比べ、メンテナンスや修繕が必要となる面積が少ないこともメリットの一つです。特に屋根や外壁の修繕費は高額になりやすく、家を維持していく上での大きな負担となります。その点、平屋ならコストを抑えやすいでしょう。平屋はワンフロアのため、冷暖房の効率が良く光熱費の節約につながります。平屋のデメリット
メリットが多い平屋ですが一方でデメリットもあります。平屋の主なデメリットは以下の4つです。1.固定資産税が高くなる
2.建築費が高くなりやすい
3.防犯面に注意が必要
4.日当たりや風通しが悪くなりやすい
それぞれ解説します。
1.固定資産税が高くなる
平屋は敷地面積が広くなりやすいため、固定資産税が高くなります。例えば延床面積100坪の2階建ての住宅を建てる場合、1階部分と2階部分をそれぞれ50坪ずつの面積に分けられます。一方、平屋の場合は1階部分のみで100坪分の面積を確保しなくてはなりません。また建物を建てる際は延床面積分だけでなく、それ以上の広い土地が必要です。つまり延床面積100坪の平屋を建てようとするなら、100坪の土地では足りないのです。
固定資産税は不動産の評価額(価値)に応じて高くなります。平屋は広い土地を必要とし、その上基礎部分の多い家屋は「資産価値が高い」と評価されるため、固定資産税が高くなりやすいのです。
2.建築費が高くなりやすい
平屋は2階建て以上の家と比べて、同じ延床面積の場合でも基礎部分の面積が大きくなります。基礎部分とは土地と建物をつなぐための土台です。また、平屋は屋根の面積も広くなりやすい構造のため、建築費が高くなりやすいでしょう。特にコストがかかりやすい基礎部分・屋根の工事費用が平屋では2階建ての家と比べて倍近くかかってしまいます。ただし基礎部分の面積が多いことは、悪い面ばかりではありません。基礎がしっかりつくられていることで、前述したように建物が安定し地震や風にも強くなるというメリットがあります。間取りの自も高いため、理想に合わせたオリジナリティのある間取りをつくりやすいでしょう。
3.防犯面に注意が必要
2階建ての家の場合、寝室が2階にあることが多いため就寝時に外からの目線があまり気になりません。平屋は各部屋が1階にあり、室内が見えやすいため防犯面に注意が必要です。防犯対策として、家の周囲に塀を建てることや、庭に目隠しを設置することで内部の様子が外から分かりにくくする方法があります。寝室やリビングの間取りを人通りがある道路に面した場所にしないことも効果的です。
4.日当たりや風通しが悪くなりやすい
平屋では1階に複数の部屋をつくるため、中心に位置する部屋では外に面した窓をつくりづらく、日当たりや風通しが悪くなりやすい傾向があります。家全体を明るく快適にするためには、中心に中庭をつくることや、コの字型・L字型の家にすることがおすすめです。他には天窓を設置することで部屋に自然光を取り入れられ、開放的な空間にすることができます。【施工事例】マリアージュ(茨城県つくば市)
おしゃれな平屋の外観デザインをつくるポイント

おしゃれな平屋の外観デザインをつくる主なポイントは以下のとおりです。
・屋根の形状
・外壁の素材や色
・窓やドア
・デザインの統一感を意識すること
それぞれ解説します。
屋根の形状
平屋に使われる屋根の形状は主に、陸屋根、片流れ屋根、切妻屋根、寄棟屋根、差し掛け屋根の5種類です。陸屋根とは傾斜がほぼなくフラットな屋根で、建物の形状がキューブ型になります。モダンな外観になり近年人気が高まっている形です。片流れ屋根は傾斜が一方向で、雨漏りしにくいことがメリットです。切妻屋根はいわゆる三角屋根のことをいい、スタンダードなことからコストが安く済みます。寄棟屋根は頂上から軒先に向かって、屋根の面が4方向に伸びているような形状の屋根です。差し掛け屋根は招き屋根ともいい、屋根の左右で高さや勾配に差がつけられたような形状をしています。
平屋のイメージを洋風にする場合、採用されることが多いのは陸屋根や片流れ屋根です。和風にする場合には、破風板(屋根の妻側の端)があり、傾斜が2方向にあることで和の雰囲気を醸し出す切妻屋根がおすすめです。
外壁の素材や色

窯業系サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜて板状に形成した壁用の素材です。機能性に優れ色やデザインのバリエーションが豊富です。ガルバリウム鋼板は、ガルバリウムという合金でメッキされた鉄をいい、耐用年数が高く外壁や屋根に広く用いられています。ナチュラルな木材の外壁なら自然が多い風景にも溶け込みやすく、年月に応じた変化を楽しむことが可能です。焼杉板とは杉板の表面を焼き耐久性を高めたものです。
また、素材だけでなく色でも家のイメージを変えられます。例えば白い壁ならシンプルで洗練されたイメージになり、反対にグレーや黒を選べば、モダンでクールかつスタイリッシュな印象になるでしょう。

窓やドア
窓のサイズや数も家の印象に影響します。大きい窓のメリットは日光を取り入れやすく開放感がありますが、一方で外からの視線が気になる、直射日光が差し込んで暑くなることがデメリットです。窓は大きすぎても数が多すぎてもバランスが悪くなってしまうため、全体的な調和を考えて配置する必要があります。ドアにはさまざまな色・素材・デザインのものがあるため、家の雰囲気にあわせたものを選ぶと良いでしょう。窓やドアの配置については自身の好みに基づき、独断で決めてしまうのではなく、建築家としっかり打ち合わせすることで納得できるものに仕上がります。

デザインの統一感を意識すること
おしゃれな印象は個人の好みが大きく関わるため、家族でもおしゃれのイメージが一致しないケースがあります。例えば、家の全体的な雰囲気は奥さんの好みに合わせて洋風にしているのに、窓だけは旦那さんが選んだ和風のものにしてしまった場合など、ミスマッチな外観になってしまう可能性があります。家をデザインする際は漠然としたイメージを持つのではなく、おしゃれの定義をインテリア雑誌や住宅関連のWebサイトなどで固めることが大切です。全体の方向性が固まる前にパーツから決めてしまうと、統一感が失われる原因になるため、家のデザインを考える際は全体的なイメージを決定してから、細かなパーツを選んでいきましょう。
おしゃれでかっこいい平屋の外観デザイン事例
おしゃれでかっこいい平屋の外観デザインを実現するには、実際の事例を参考にすることも役に立ちます。・重厚感漂うモダンな外観
・木格子からこぼれる光が印象的なおしゃれな外観デザイン
・中庭とつながる開放的な平屋の家
上記の事例についてそれぞれ解説します。
重厚感漂うモダンな外観

外壁のグレーに対して、ブラックのアイテムが選ばれており、モダンな雰囲気を際立たせています。
リビングから続くウッドデッキは、屋外のリビングとして活用できます。庭一面に人工芝を敷くことで、汚れにくく、美しい緑の状態を保つことが可能です。
施工事例「窓からの景色を楽しむ外と繋がる平屋」
木格子からこぼれる光が印象的なおしゃれな外観デザイン

マリアージュはフランス語で2つのものが調和している様子を指します。こちらの平屋はその名のとおり、外部と内部の外観が相性良く組み合わされ、まるで空間がコース料理のように展開していくような構造です。
マリアージュの平屋は、壁と庇(ひさし)に囲まれており、外でも中でもない空間が設けられています。開放的でありつつ、プライベートが守られており心地よい空間演出が特徴です。
また、家の中に余白が設けられ、床に敷き詰められた土に木が植えられていることで、外と中のつながりを再考したデザインが実現されています。夜には家の中の光が木格子から外にこぼれ出し、幻想的な光の芸術を演出します。

中庭とつながる開放的な平屋の家

緩やかな片流れ屋根とBOX型の形状が調和した、モダンな外観が特徴です。
外壁はグレーで統一し、ブラックをアクセントとして加えることで、クールで落ち着いた雰囲気を演出しています。
大きな屋根に覆われた中庭兼玄関ポーチも特徴的です。袖壁によって周囲の視線を遮り、プライベートな空間となるため、家族が落ち着いて過ごせるでしょう。床のタイルデッキ、壁の石調、軒天の木目柄といった異なる質感を絶妙に組み合わせた、居心地の良い空間となっています。

道路に面しているため、プライバシーに配慮した配置計画となっています。南側に設けられた広い庭は、敷地の形状により通りからは見えにくく、温かい日差しが差し込む開放的な空間です。
施工事例「中庭とつながる開放的な平屋の家」
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平屋は1階建ての住宅を意味し、生活や家事の動線が効率的で家族とのコミュニケーションがとりやすいことが特徴です。構造の安定性が高い平屋は地震にも強く、メンテナンス費用や光熱費を節約しやすい形です。階段から転落する危険性もないため、小さな子どもから高齢者の方でも安心して暮らせることや、間取りの自由度が高く、柔軟な空間ができることも利点です。
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