和造作の家
随所にさりげなく和の趣を施した、和モダンのお家。落ち着いた色彩や温もりのある照明計画がリラックス感を高める、安らぎの空間をデザインしました。快適な暮らしを叶える帰宅動線や家事動線にもこだわったお住まいです。
Data
- 所在地
- 埼玉県さいたま市
- 敷地面積
- 334.10m²
- 延床面積
- 119.23m²
流れるような形の切妻屋根が印象的な、親しみを感じる外観。外壁と屋根材をワンカラーで統一した、落ち着いた佇まいとなっています。屋根材にはガルバリウム鋼板を採用し、デザイン性の高さに加え、メンテナンスコストを抑えられるのも魅力です。
温かでやさしい夕景の外観
和の雰囲気が漂う玄関は、質感豊かな塗り壁仕上げ。そこに丸型ニッチや、丸い手洗い器、丸い鏡を施し、曲線の柔らかさを添えました。また、室内への動線は2way仕様となっており、シューズインクローゼットを経由することで、すっきりとした玄関を保てます。
落ち着いた色彩と柔らかな灯かりが温もりを演出する、和モダンなリビング。床材や梁、階段の格子材はともに肌触りの良いパイン材を使用し、畳コーナーの枠も同じ素材を用いました。素材と仕上げを揃えることで、日焼け等の経年変化が合うように工夫をしています。
和モダンなインテリアと融合する寛ぎのスペースをリビングの一角に設えました。段差に腰かけたり、ゴロンと横になったりと、リラックスして過ごせます。畳下の一部は段差部分を有効活用し、畳下収納を備えています。
リビングの一部に高天井を採用し、開放感を創出。間接照明と組み合わせ、天井や壁面を照らすことで、柔らかな灯かりが広がっています。また、フロートタイプのテレビボードやガラス入りの扉を設え、視覚的な広さや視線の抜けに配慮しました。
ダイニングテーブルカウンターは、無垢の一枚板。銘木問屋に行き、お施主様が大工さんと選んだ一品物です。一本の木から造られる自然の美しさを感じられ、ダイニングに上質感と趣きを添えています。
キッチンからリビング全体を見渡せる安心感があり、ダイニングを横並びにすることで配膳や片付けがスムーズになります。腰壁があるのでリビング側から手元を隠せ、カウンター部分に植物を飾るなどインテリアを楽しめます。
背面にアクセントになるカップボードや、落ち着いた色味の収納を設えたダイニングキッチン。見せる収納と隠す収納をバランスよく使い分けています。キッチン天井は、すっきりとしたタモ柾目の板張りを施し、上品な雰囲気を装いました。
床材に籐を編んだ柄のクッションフロアを採用した、落ち着きのある洗面室。造作洗面台は、集成材カウンターの細かい木々の積み重ねと、タイルの細い積み重ねの柄を揃えたデザインです。異素材を組み合わせ、柄の形状を揃えることで、統一感を演出しています。
格子が陰影を描く、落ち着きのある階段
玄関脇に設えた丸型ニッチは、中秋の名月のような美しさを表現。間接照明により、塗り壁の質感や陰影が強調されています。ニッチの棚は華奢な見た目の造りとしており、職人の腕と技が光る繊細な仕上がり。どの角度から見ても美しい丸型ニッチが完成しました。
Designer
人は1日24時間平等にありその時間をどのように使うかはその人の自由です。
視線が開けて、風が肌にふれ、陽が入りポカポカする中の心地よい場所で本を読んだり、子供と遊んだり、お酒を飲んだり、人それぞれ充実した時間はことなるでしょう。
充実した時間の多い「時間の価値」の高い家が心の豊かさにつながる「良い家」ではないかと考えます。