インナーテラスのある小さな家
ご家族3人が暮らす、延べ床約22坪のコンパクトなお家。高度斜線がかなり厳しく、法的制限により有効活用できる空間が限定的でした。そのため、空間を断面的に使うことで、限られた空間を最大限に活かし、空間以上に広く感じるお家が完成しました。
Data
- 所在地
- 東京都
- 敷地面積
- 100.02m²
- 延床面積
- 78.86m²
スタイリッシュな玄関ホール
開放感と心地よさに包まれるコンパクトなLDK。リビングをダイニングキッチンから一段下げ、インナーテラスと段差なしでフラットに繋げました。リビングとインナーテラスが視覚的に繋がることで、開放感と広さを生み出しています。
キッチンの床は油はねや水はねに配慮し、お手入れがしやすいクッションフロアを採用。弾力性があるので、足腰に負担がかかりにくいのも魅力です。キッチン側から見ても統一感が出るように、床とキッチンの腰壁の色をグレー系で揃えました。
キッチンの背面に天井までの高さのある背面収納を設え、生活感の出やすい調理家電やキッチン用品をスッキリと収納しました。LDKの一角には吊本棚やマルチに使えるカウンターを設置し、スペースを活用しながら暮らしの利便性に配慮しています。
リビングに目が届く対面式キッチン
キッチンと横並びのダイニングは、POHAUSオリジナルテーブル。造り付けなので、他の素材と色を合わせることができ、インテリアデザインに統一感が生まれます。建築時に一緒につくるため、美しい仕上がりと住まいに合わせた使い心地を両立しました。
天井は木目のクロスと化粧梁を組み合わせ、天井が低い箇所は色を濃くし、リビング側は天井を高く、床を下げています。ダイニングキッチン側から見た時に、リビングの高さと明るさを強調することができ、開放感のある寛ぎ空間を演出しました。
インナーテラスは外壁と統一感をもたせたサイディングと、周囲からの視線を和らげる格子をデザインしました。外の風を感じながら寛ぐことができ、インナーテラスがクールスポットの役割となり、室内に少しだけ涼しい風を取り入れてくれます。
リビングのドアは、天井までの高さのあるハイドアを採用しました。天井際とドア上部のラインが揃うことでスッキリ感が生まれ、コンパクトな空間に広さを演出。ガラスのあるデザインが壁面のアクセントになり、光とほどよい視線の抜けを感じられます。
リビングと2階を繋ぐ階段は、木製ストリップ階段にスチール手摺を組み合わせました。手摺を木製ではなくスチールにすることで、スタイリッシュで落ち着いた印象に。また、ストリップ階段の視認性と開放感に加え、暖かみのある木質感を感じられます。
高度斜線が厳しい土地のため、2.5階の洋室は勾配天井を駆使し、平面的な広さを高さ方向で補っています。また、ラフターロックというオリジナルの金物により、火打ち柱が出てこないスッキリした内観を実現しました。床下には約1.5帖の床下収納庫を設け、空間を断面的に有効活用。季節家電や家族の思い出の品などを便利にしまえます。
柔らかなピンク色のニュアンスカラーが優しいオリジナルの洗面台。シンプルな壁付水栓が清潔感を演出する、温もりある雰囲気に仕上がりました。水まわりをバルコニーやウォークインクローゼットと同じフロアに配置することで、スムーズな洗濯家事動線を叶えています。
玄関とトイレの手洗いを兼ねた造作手洗い
Designer
住み手の生活シーンをイメージし、居心地良い空間をつくる。
敷地のメリットを活かし、デメリットを感じない家にする。
奇抜な家をつくるより、住みよい家づくりをする。