外部を纏う家
個人と家族の間、内と外の間にある『中間領域』を家の各所にちりばめ、閉じすぎない環境で人と人が程よく繋がる心地よさを味わえる空間づくりをコンセプトとした住まい。
ビルトインガレージ、アプローチからタイルが連続する玄関、大きな庇がかかるポーチ、ルーバーで囲まれた3層吹き抜けの坪庭、周囲の視線を遮るプライベートバルコニー等、外部を感じる要素を纏った建物です。
Data
- 所在地
- 東京都葛飾区
- 敷地面積
- 148.31m²
- 延床面積
- 172.64m²
外部からの視線を感じないシンプルでプライバシー性の高い外観
グレーのモルタルで仕上げた落ち着きのあるファサード。
重厚感のあるシンプルな外観に木質感のある玄関ドアと軒天がアクセントとなり、クールすぎずシックな印象を与えます。
また、ガレージ下まで伸びた庇は雨の日でも濡れることなくガレージへと移動可能でストレスフリーです。
吹き抜けの階段につながる開放感と間接照明が彩りを添える広い土間空間。
靴箱、階段下に加えてシューズインクローゼットも併設。冬用コートや傘などの小物もまるごと納められます。また、上がり框部分にも収納を設けたため、靴箱の下の空間には、普段履きの靴を隠せるプランです。
明るく開放感に富んだ階段スペース。踊り場を境にストリップ階段に切り替わるデザイン。
壁面に設けたワイドな窓から取り入れる光が階段の下まで降り注ぎ、暗くなりがちな玄関ホールも明るい空間へと導きます。スチール手すりもアクセント。
無垢フロアと板貼り天井、梁あらわしで素材感を感じられる広々としたLDK。
高級感のあるブラックウォルナットをはじめとするダークな色調で全体をまとめ、シックで落ち着きのある空間に仕上がっています。照明スイッチがマットグレーで統一されており、細部まで行き届いた施主さまのこだわりが垣間みえます。
LDKに面したバルコニーにはウッドデッキを設置し、床の高さも合わせています。外部の視線が気にならない、日常的に使用できる寛ぎのテラスです。
間接照明が落ち着きのある雰囲気を演出
リビングの一部に天井まで届く造作棚を設けました。
お気に入りの小物や家族写真、子どもの作品などを飾って魅せる収納として空間の遊びをプラス。また、階段は折り返しのデザインとすることで廊下を少なくでき、住空間をより多く確保することが可能です。
キッチンをぐるりと囲む造作テーブルがアクセントのダイニング。カウンター部分はちょっとした調べ物や軽食スペースにぴったり。
I型の対面タイプと造作の食器棚の間に広めのスペースを確保し、家族で立っても狭さを感じないキッチンです。食器棚の一部をごみ箱の定位置とし、スッキリさせています。また忙しい朝もわざわざ洗面所に行かず流れで準備ができるよう、洗面をキッチン横に設置しました。
リビングの一角にはスタディスペースをプランニング。建具を設けず、また各面に開口部があることで採光・換気にも優れた半個室仕様。家族と程よい距離を保ちつつ集中できる理想的な空間です。今ではすっかり家族みんなのお気に入りの場所。
リビングの造作棚の裏からは綺麗に並べられたディスプレイが。
仕事や勉強で活躍する半個室の書斎
ガレージ側と室内側の双方から出入りが可能な2WAYの納戸。
お気に入りの車とバイクを洗車し、メンテナンスを終えた後はアウトドアチェアに腰掛けまずは一息。目線にある小窓からは愛車が眺められる、ご主人こだわりの空間です。
壁面のタイルと大理石風のカウンターが外国のホテルを思わせるスタイリッシュな洗面・脱衣スペース。洗剤のボトルやヘアケア用品など生活感の出るものはミラー付きの棚の中に、タオルなどはあえて収納せず色と畳み方を揃え統一感をもたせ、インテリアの一部として飾っています。
施主さまの『家事スペースが欲しい』という要望を叶えるため、3階にはホール空間と一体のランドリースペースを設けました。濡れて重くなった洗濯物を持ち運ぶ手間が省け、乾いた後はカウンターで畳んで引出しに収納。少ないアクション数で家事負担が軽減できるプランです。
洗濯家事が効率的に行える家事動線のバルコニー
浴室の窓を開けると中庭がお目見え。
外の風を感じながらゆったりとした時間を過ごせて、日ごろの疲れからも解放。中庭は外部から遮断された空間のため、プライバシー性も保たれ高いリラックス効果が得られます。
Designer
お客様の要望に、その建物を永く使ってもらえるような提案を加えて設計したいと常に思っています。
時代が変わっても色褪せない、次の世代にも愛される住宅が増える、そんな世の中になれば良いなと。