陽だまりに包まれる木格子の家
家族団らんも自分時間も、その時々に居心地の良い空間を。スキップフロアと木格子でゾーン分けをしながらも繋がる空間が、各々の大事な時間を創出してくれます。木のやわらかな質感と温もりが家族を包み、プライバシーと開放感の両立を叶えた心地よいお家です。
Data
- 所在地
- 千葉県
- 敷地面積
- 185.19m²
- 延床面積
- 121.92m²
建設地はプライバシーを確保しにくい角地のため、建物を斜めに配置し、1階の和室を囲うように濃いグレーの壁を配置しました。道行く人々の視線を斜めの壁で外し、中からは外との一体感が出るように計画。また、壁に囲まれた半外の空間と格子を使った間仕切りで、空間の曖昧さを醸成しています。
外観に施した斜め壁の内側に回廊を設け、プライバシーと開放感を両立する緩衝スペースを創出しました。風情を感じさせる縁台は、ウッドデッキ専門の職人によるオリジナル。和室と回廊を繋ぎ、半外の憩いの場として多目的に過ごせます。
玄関ホールの壁面に、エコカラットプラスのたけひごを採用し、アクセントになるよう市松貼りを施しました。床材に使用したカバ材のきめ細やかな木目と相まり、やさしい雰囲気が伝わってきます。また、エコカラットプラスは調湿機能と臭いの吸着機能を併せ持つタイル素材なので、玄関の快適性を高めてくれます。
開放感のある吹抜けの中に、木格子の箱を置いたような立体感のあるリビング。木格子による曖昧さを持った仕切りにすることで、一体感と開放感、落ち着きと閉塞感を併せ持つ空間構成としています。また床材は上品な風合いのカバ材、木格子はパイン集成材を使用し、明るい空間を演出しました。
木格子、階段、セカンドリビングの床、梁はすべてパイン材を使用。素材を揃えることで、経年変化による木材の色の変化が揃うように工夫をしています。また、リビング床のカバ材や勾配天井のシナ合板なども、パイン材と変化する色の系統が揃うので、時間が経っても統一感のある空間を味わえます。
開放感を創出する吹抜けと木格子
セカンドリビングは、木格子に囲まれた陽だまりの空間。床材は赤松の無垢材、勾配天井にシナ合板を使用しました。柔らかい節のある松(パイン)材は肌触りも気持ちよく、日向ぼっこをしながら思わずうたた寝をしたくなる、心地良い空間となっています。
木格子で囲んだ箱の中に、床を下げた和室を配置しました。大黒柱を思わせる造作の丸太をアクセントに設置し、落ち着いた閉鎖感を出すために、天井の色を濃くして低さを強調しています。段差に腰かけたり、寝転んだりしても気持ちの良い、落ち着きのある空間です。
和室は床を下げ木格子で囲むことで、リビングに居る家族の気配を感じられつつも、プライバシーを確保した空間となっています。障子から柔らかい光を採り込み、東側の窓から見える庭の紅葉が四季の移り変わりを伝えてくれます。
ダイニングキッチンは、水平面を木素材、壁面を白、空間の仕切りは格子で揃えました。面によって素材感を揃えることで、各々の素材の良さを活かすデザインとしています。天井の木目柄のクロスは、周囲を本物の木材で縁取る仕上げを施すことで、天井面のクロスっぽさを打ち消し、意匠性を高めました。
ダイニング一体型カウンターは、お施主様と設計者が銘木問屋で吟味して決めた一点物。無垢の一枚板で仕上げ、流れるような美しい木目が空間に華やかさを添えています。対面式キッチンからは、リビングと和室が見渡せ、セカンドリビングとの繋がりも感じられます。
玄関やリビングと繋がる回遊性のある水回り
落ち着きと華やかさのあるトイレ
Designer
暮らしやすさとは単なる広さ、大きさではなく、空間や家族のつながり、環境や地域とのつながりが心地よさを生む。
人が成長していくように、家も住み手と共に成長していく。