ざらしょくの家
テーマは、素材感を生かした家つくり。決して空間に奇をてらうことなく、穏やかな時間軸で住まう施主が求めた形がこの「ざら触の家」にたどり着きました。 構造材をそのまま生かした、柱、梁を荒々しく見せることで、床材だけでは感じることのできない質感があります。自然素材の塗り壁は、見た目だけではない、心地良い空気感をつくりだしています。床材にも質感、手触り、足さわりにこだわりました。 肌が触れる箇所に、心地良い素材をできるだけ使うことで、空間の力だけでは表現できない「場所」になります。そこが家族と毎日過ごす「家」になり、この上ない贅沢を日常に取り込めたのではないでしょうか。
Data
- 所在地
- 埼玉県吉川市
- 敷地面積
- 150.64m²
- 延床面積
- 103.41m²
照明を埋め込んで、下から外観と植栽をライトアップすると、お店のような雰囲気になります。
このテーブルも施主様が気に入りのお店を探して頼んで作ってもらった世界でひとつのダイニングテーブルです。窓の向こうには公園が広がって、この公園を見ながら暮らすこともコンセプトのひとつだったそうです。
公園が見える窓の反対側には、バルコニーが。ここはダイニングからもお風呂からも繋がる中庭的な気持ちの良いエリアです。
1階は通り土間を配置し、庭との連続性を持たせることで、外部とのつながりを大切にしています。家に足を踏み入れた瞬間の心地のよさはこの広がりにあるのかと思われます。休日、庭の手入れの休憩に、土間に続く和室に腰を下ろし、庭を眺める。そんなシーンが見えます。
Designer
朝起きて、夜寝るまで……家の中では小さなドラマが続いている。
ずっと続く日常。この生活を心地良く過ごすための家。
ワンシーンを切り取ってデザインするのではなく、人の動きや目線、「つながり」を考えて「家」を創る。
そこには温かな人の生活がある。