-沿添庵- 中庭を囲む中二階のある家
ご実家のゆとりある敷地に、母屋と庭を共有する形で計画されたお住まい。母屋との繋がりを大切にした、ナチュラル和モダンなお家が完成しました。建物は母屋に沿わせて雁行させながらも、お互いが繋がる中庭や窓を計画し、寄り添うイメージで設計。中庭は家族が集まって楽しいひと時を過ごせる、憩いの場所となっています。
Data
- 所在地
- 千葉県
- 敷地面積
- 207.43m²
- 延床面積
- 122.59m²
通りを行き交う車や人の流れに沿わせた直線的な外観デザイン。通りに面した開口部は、1階は高い位置に、2階は西日の当たる部屋でも快適に過ごせるよう工夫を施しました。
母屋や街並みに調和する、落ち着いた色味のモルタルを外壁に選択。ガルバリウム鋼板の切妻屋根を組み合わせ、中庭のウッドデッキや木質感のある軒天がアクセントとなり、ツートンカラーのシンプルなデザインに柔らな雰囲気をもたらしています。
中庭は家族が集まって楽しいひと時を過ごせる、憩いの場所となっています。
玄関までのアプローチは、南北どちからからもアクセスができるようになっています。足元は大磯砂利の洗い出し仕上げとし、目隠しとなる植栽やモダンなデザインの鎖樋を設え、風情を感じる佇まいを演出しました。
玄関を入ると目の前に中庭が現れます。土間はアプローチ部分と同じ素材の大磯洗い出し仕上げとし、内外の連続性を高めました。土間の天井は板張り、ホールの天井は梁をあらわし、異なる表情で和モダンな雰囲気を表現。中庭へと視線を誘導するように梁の向きを考慮しています。
テラス越しに母屋が見える配置
落ち着いた雰囲気がどこか懐かしさを感じさせる造作手洗い。上品なグリーンの壁紙に映える朱色の洗面ボウルが、ささやかながらも魅力的に空間を彩っています。
柔らかく温かい雰囲気が広がるLDK
書斎やセカンドリビングは壁を設けず、木格子でゆるやかに仕切りました。吹き抜けの高窓から格子越しにリビングの奥まで光を届け、風情ある和モダンな空間を演出しています。
異なる木質感とも調和のとれた優しい木のぬくもりに包まれる、居心地のよい空間。落ち着いた色味の木格子が和モダンなテイストにぴったりです。視線の先には庭の開放的な眺めを楽しめるように窓を設置しました。
階段の手すりの形状は、木格子と素材を統一し、質感や経年による色の変化が揃うようにデザインしました。踏み板と蹴込み板にはあえて印象の異なる素材を採用し、グッと空間を引き締めています。
広がりや奥行きを生み出す吹抜けを活用した中二階はセカンドリビングとして活躍。採光と通風を可能にするだけでなく、別々の階で過ごしていても家族の気配を感じられます。
キッチンは開放的でオープンな空間を演出する対面カウンターを採用。スキップフロアと室内の木格子によって、リビングやセカンドリビングにいる家族の気配を感じながら料理ができる配置としました。
階段下を利用した床の間風のスペースにブルーのアクセントクロスをセレクト。床の木目と相まって空間を引き締め、ほっと落ち着ける空間に。
Designer
お客様の要望に、その建物を永く使ってもらえるような提案を加えて設計したいと常に思っています。
時代が変わっても色褪せない、次の世代にも愛される住宅が増える、そんな世の中になれば良いなと。