Simple Box
シンプルな箱の中にお施主様の理想を詰め込んだ、実用的でセンスを感じるお住まい。2階リビングの大開口サッシや浮遊感のある階段により、明るさと開放感を創出しました。また各所を彩るデザイン性の高い空間演出が、日常に特別感をもたらしてくれます。
Data
- 所在地
- 埼玉県川越市
- 敷地面積
- 146.80m²
- 延床面積
- 113.85m²
周囲とのコントラストを描く、シンプルな白いBOX型の外観。余計な装飾を施さず、外観のプロポーションだけでメリハリをつけました。重心を低く抑えた水平ラインが印象的で、凛とした表情を醸し出しています。
玄関はこなれ感が漂う、シンプルな空間。隣のシューズクロークには、収納力のある可動棚とハンガーパイプを設置しました。玄関からの視線は正面にある大きな窓へと抜けるので、シューズクロークが目立ちにくく、来客時の視線も気になりません。
華奢なデザインがスッキリとした印象を描く、浮遊感のある階段。視認性に優れているので、窓から外の景色を楽しむことができます。また落下防止の手摺は透明なアクリルパネルを使い、安全性と視認性を両立。階段下のお掃除がしやすいのも、嬉しいポイントです。
光が通るピクチャーウィンドウのような窓
LDKは機能ごとに壁の色を使い分け、白と黒の空間を柔らかな木素材で繋ぎ、空間に変化を創出。床材にナラの無垢材、天井格子にリボスクリア塗装仕上げを施したカバ積層材を採用しました。建築化照明をポイントで用いて壁を照らすことにより、落ち着いた雰囲気を持たせながら、暗さを感じさせない計画としています。
天井までの高さがある大開口サッシが、バルコニーとの一体感をもたらす明るいリビング。カーテンのたまりで開放感のあるサッシを阻害しないよう工夫を施しています。また建築化照明とのバランスを考慮し、照明器具を必要なところに配置して、光のメリハリを演出しました。
キッチンの主役となる「黒の造作収納&壁面」と明るい「白のリビング&バルコニー」を、木素材で緩衝材のように繋ぎました。グラデーションのように空間の色味が変化し、勾配天井が開放感を与えています。家具も同系色でコーディネートされており、上品さと寛ぎを感じられます。
バルコニーのある南側は、深い軒で太陽の光をコントロール。太陽が昇る高さの違いを活用して、夏の暑い日差しを除け、冬の低い日差しを室内の奥まで取り入れる工夫を施しています。
キッチン背面の造作収納は、一際目を惹くLDKのフォーカルポイント。「キッチンの白い箱」と「造作収納の黒い箱」のコントラストが、空間をピシッと締めてくれます。また建築化照明でタイルを照らし、周囲を木素材で囲んで額縁のように仕切ることで、タイルを一つの絵画のように魅せています。
使い心地とデザイン性を両立させた造作収納
窓枠を木素材で縁取った、明るいカウンタースペース
洗面台は既製品の鏡と造作の洗面を組み合わせることで、使い勝手とデザイン性、コストパフォーマンスを並立。棚の高さも籠のサイズを考慮した設計としています。また顔の正面から光が当たるよう、鏡の上に窓を設けているので、メイクもしやすく体調管理も行えます。
清潔感のあるホテルライクな造作洗面台
グレー基調のシンプルな2階トイレ
間接照明で浮遊感を演出した、小上がりの寝室
Designer
自分の家を設計して気づいた、何を優先するかが変わった。
長く住まうものだからこそ、遊び心は必要。
でも無駄な遊びは不要。
そのバランスが取れていると、誰にとっても心地よい空間になると思います。