Award
受賞タイトル
Concept
令和最小限住宅4×4
「造りすぎない家」
4間×4間の正統的な平面に、居間と外部をゆるかやにつなぐ外間や通り土間で日本の昔から伝わってきた有形を、令和時代の暮らし方にあわせ住まい手が生活力を養いながら、変化や成長を楽しめる家。
現在は情報通信機器の普及により世界がつながり、ボタンを押すだけで物が購入できるとても便利で、物が豊かな時代となった。
しかしその便利さゆえに家族の成長の過程で人と人の相談や創作、物の代用や保管などのコミニケーションや考えて暮らす生活力が必要なくなり、住み始めての高揚感が損なわれているように感じる。
そして地球温暖化等の自然環境の変化により想定してないウイルス性病原菌も増加することで住まい方を変えなければいけない事を想定しないといけない。
家族と向き合う時間やくつろぐ場所、時間は成長の時間軸によって常に変化する。日本家屋の自然との調和や地域社会との関連性を、現代の生活習慣にあわせてより心地よく導く住まい。
審査員評価
1マス8畳の正方形を単位とした、単純な「田の字」型平面の住宅を基本とし、これと前面道路との間に、同じ平面寸法を持つ庇下の半屋外空間を加えた形式である。
タイトル通り、内部空間は大きいわけではないが間延びのない適切な寸法で設らえられており、暮らしにフィットしている。不足する空間的余白や用途的余地は、付け加えられた半屋外空間が補完する。
単純にテラスがついただけではなく、室内と同モジュール(8畳正方形)であることで、より室内空間の延長として認識され、生活が滲み出しやすくなっている。
またこのことによって、人の気配のする街並みが形成される点も評価した。 【2024年度グッドデザイン賞】
Gallery
想定外を想定して暮らす
「造りすぎない家」
日本家屋の田の字「四間×四間(8帖×4)の規格寸法にこだわった正統的な骨格に、仕切り壁を極力排除し暮らし方の変化を、生活力と高揚感を持ちながら対応を導けるような平面設計としている。
家族と共に過ごす場所は、時間的価値を高める事を意識し、用途の異なる「間と間」の繋ぎ方を変えることにより、さまざまな生活シーンや感情の変化を抱擁される居場所とした。
籠もりあるキッチンから開放的な居間、そして外の間へ段階的に外部への関連性を大きくし適時により居場所を選べる。
外の間は外部を室内に取り込む中間領域をはたたすと共に、地域・社会の接点を誘発する「間」としての役割も果たす。
地域との境界を仕切る外の間の塀は高さの設定により地域コミュニティの調和を調整できる。
玄関からつながる通り土間は、現代の生活スタイルに合わせ、シューズクローク、パントリー、家事スペースを連結させ、可動棚や置き家具で楽しみながら変えられる家族のコミュニケーションを誘発する間とした。
Designer
人は1日24時間平等にありその時間をどのように使うかはその人の自由です。
視線が開けて、風が肌にふれ、陽が入りポカポカする中の心地よい場所で本を読んだり、子供と遊んだり、お酒を飲んだり、人それぞれ充実した時間はことなるでしょう。
充実した時間の多い「時間の価値」の高い家が心の豊かさにつながる「良い家」ではないかと考えます。