GOOD DESIGNAWARD

2012年度受賞 大湖 正之 Slit House

Slit Houseの画像

『スリットから街とつながろう。』 都内近郊の住宅地においての計画。その立地条件や周辺環境からプライバシーを重視し、過度に閉鎖されたデザインが多く見られる。閉ざされた住宅が並列した街並みは、コミュニケーションを失い、空虚な場になって行く。今回の計画においては『繋がり』をコンセプトに、街に面した部分にスリットをもうけ住空間と街をつないだ。人と街をつなぎ『個』だけでなく『集』で生活していく街へ発展できるような住まいを提案したい。

審査員の評価EVALUATION

都内近郊の住宅地における個人住宅である。ここで提案されているのは、都市住宅が持っている街に対する開き方と閉じ方のバランスが重要性についてである。プライバシーを過剰に守りあまり、閉鎖的な立面や閉鎖的な塀で囲まれた住宅が数多く見られる。その結果、街からは内部での人の生活や活動が見えにくくなり、街全体での活気が失われてくる。街に面した部分にスリットをもうけ、住空間と街をつなぎ止める新しい住宅タイプの可能性を示唆している。

設計の趣旨DESIGN SUMMERY

住まいの集合が街となる。そのつながりを日常生活の中で感じ取れるようにする。生活している人の動き、街を歩いている人の動きを自然に感じる事でコミュニケーションが発生する種となる。そのコミュニケーションは小さな活性となり、街並みに優しさやいたわりを生んで行く。その積み重ねは地域の活性へとつながり豊かさに通じる。

都内近郊の住宅地においての計画ではその立地条件や周辺環境からプライバシーを重視し、過度に閉鎖されたデザインが多く見られる。閉ざされた住宅が並列した街並みは、コミュニケーションを失い、空虚な場になって行く。 コミュニケーションとプライバシー、現代社会の住環境においての課題を捉え、『 繋がり』をコンセプトに、街 に面した部分にスリットをもうけ住空間と街をつないだ。 住まう人の生活に外部との接点をもうけることで、会話や行動を発生させ街との関わりを持たせることが出来る。

デザインのコンセプトとなるスリット壁は日照・通風も考慮して配置されており卓越風を捉えて風を巻き込み、住まいの中の空気を動かす。 設備ではない自然のエネルギーを利用出来るデザインで生活環境をより向上させている。 プライバシーを重視し、外部と接点を持たない生活は簡単に創る事が出来る。それよりも、そろそろ未来を意識し、開放感のある生活、繋がりを持つ住まいが必要であると提案したい。 家族だけの空間で過ごす楽しさも確保し、さらに一歩進んで街や地域との繋がりを楽しむ。『個』だけでなく『集』で生活していく街へ発展出来るような住まい。その関係性は社会全体の豊かさにつながって行くと考える。  

デザイナーの想いDESIGNER'S FEELINGS

住まいの中の一部を外に誘導するようにデザインにした事で、誰かと接するきっかけを自然と増やしていく。その結果コミュニケーションが発生する。そのような環境を日常生活の中に組み込んでいくことで、意識せずとも様々な事に興味を持つ事が出来る。

住宅の中で行われる人々の行動は、住まいの中で完結させることも可能であるが、住まう人の生活に外部との接点をもうけることで、会話や行動を発生させ街との関わりを持たせることが出来る。その関わりが大きくなり、その住まいに生活する人と住まう街の価値を上げ、地域全体の豊かさに繋がっていく。

「住宅」は人々の生活の起点となると考える。人と街とがつながり、豊かなコミュニケーションの中にある生活は、自然と外部に向けての意識が高まる。その意識から多くの活動(コミュニティ)が生まれ、購買や娯楽を楽しむ事で新たな産業を産み出していく街を創ることが出来る。

社会問題でもある「若者の引きこもり」や「高齢者の孤独死」、職場での「うつ」などの原因の一つはコミュニケーションの不足が考えられる。コミュニケーションの基点の一つが住宅であり、その延長に街があり社会があると捉え、人と街との関わりを積極的に誘発し、「関心を持つ」社会を形成していける住宅を提案した。

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