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COLUMN

心地よい和風住宅に暮らすために

和風住宅のメリット


縁側や床の間がある和風の家が人気です。和風住宅は坪単価が高かったりメンテナンスに手間がかかったりすると思われがちですが、必ずしもそうではありません。床柱の材質にこだわったり、屋根に瓦を乗せたりすることで追加オプションの料金が加算されることはありますが、ほとんどのハウスメーカーは、洋風住宅と和風住宅で坪単価の設定を分けていません。
そもそも現代建築では、和と洋の住宅の違いを明確に線引きすることは難しく、最近は両方のメリットを併せ持った和モダンや和洋折衷の家が人気を集めています。外観だけ和風にしたり洋風住宅なのに寝室を畳にするなど、快適に暮らすためのさまざまな工夫がされています。また将来の子どもの成長や親との同居も踏まえ、長期間にわたり変化する家族構成に対応できるよう考慮された家も増えています。
家が洋風であっても、一部屋ぐらいは畳の部屋にしたいと考える人は少なくありません。実際にマンションなどでは、リビングルームの隣に6畳程度の和室がある間取りをよく見かけます。引き戸を開けておくと、リビングがより広く見え、子どもが遊んだり昼寝をしたりするためのスペースとしても利用されています。また和モダンの家では、古くから伝わる日本人の生活様式を現代風にアレンジした空間づくりがされています。無垢のフローリングの部屋に和紙を使った障子を使うなど、自然素材と共存することで日本の風土に合った生活をすることができます。

和風住宅における畳の役割


和風住宅に畳は必要不可欠ですが、現在のような形の畳が登場したのは平安時代だと言われています。その後日本固有の敷物として発達し、江戸時代の中頃には庶民の家でも床材として使用されるようになりました。四季の移り変わりがあり、寒暖の差が激しく湿気も多い日本の風土に適しているので、長期間にわたり日本人の生活に欠かせないものとして愛用されてきました。最近では防虫効果のある人口素材を使用した畳もありますが、もともとは天然のイ草で織り上げたものです。イ草の長さや質、織り込まれている本数により品質の善し悪しが決まります。
天然のイ草には、快適な住空間を作るいろいろな効果があります。寝室で布団を直接フローリングの床に敷くと、敷布団にカビが生えることがあります。カビを防止するために、すのこベッドを利用したり吸湿マットを床と敷布団の間に挟んだりするなどの対策をとります。その点調湿性に優れている畳は、フローリングに比べるとカビが生えにくく、それほど心配することはありません。また断熱効果も期待できるため、防寒のために上にラグを敷く必要もありません。逆にラグなどを敷いてしまうとダニの温床になり、アレルギーの原因になる場合もあります。他にもイ草は大気汚染の元になる二酸化窒素などの化学物質を分解するだけでなく、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを浄化する働きもあることがわかっています。
また、畳には適度な弾力性があり、小さな子どもやお年寄りが転んでも衝撃を吸収してくれるメリットもあります。耐久性にも優れているため、長い目で見ると経済的です。和風住宅で、畳の上に布団を敷いて寝るということは、安全面や健康面からも理にかなっています。しかし年齢と共に布団の上げ下ろしに苦労するようになったり、腰や膝の痛みに悩まされるようになってくると、ベッドで寝起きする方が楽に感じるようになります。少しの工夫で快適な寝室で過ごすこともできます。

和風のベッドルームを演出する


最初に注意したいのは、ベッドの重さです。多くのベッドは4本脚になっているので、そのまま畳の上に置くとベッドの重量とその上で寝る人の体重を4本の脚で支えることになってしまいます。それが毎晩のように続くと、せっかくの畳を傷めてしまいます。重量を分散させるためには、フレーム全体で重さを支えるタイプのベッドがおすすめですが、それでも長期間置くと、跡が付いてしまうことはあります。畳とベッドの間にマットなどを敷くことで跡が付くことを防ぐことはできますが、湿気が溜まりやすくなる上にせっかくのイ草の風合いを損なう恐れもあります。フレームは木製のものを選ぶと、自然素材である畳に溶け込みます。また和室に置くことを念頭にデザインされたベッドもあるので、部屋のインテリアにマッチするかどうかも考慮して選ぶと違和感なく置くことができます。
和室に置くベッドのもう一つのポイントは高さです。フロアベッドやローベッドと呼ばれるタイプのものは、和の雰囲気を持つ住宅や家具にも自然に溶け込みます。その上ベッドが低いことで圧迫を感じにくく、部屋全体を広く見せることもできます。フレーム全体で床面と接しているため、安定感がありますが、通気性が悪くなることもあります。
自然素材をふんだんに使い建築した和風住宅には、イ草の香りがする畳が似合います。和風の寝室には布団を敷くものだと考えられてきましたが、現代の住宅ではそうとも限りません。和モダンや和洋折衷の家にはベッドを置いてもシックにまとまるので、自分のテイストを優先することが、快適な寝室での良質な睡眠につながります。